日本キリスト教団 東戸塚教会

2018.11.11「ギデオンの精兵」

Posted on 2018. 11. 12, 牧師: 藤田 穣

士師記7章7節
    7:7 主はギデオンに言われた。「手から水をすすった三百人をもって、わたしはあなたたちを救い、ミディアン人をあなたの手に渡そう。他の民はそれぞれ自分の所に帰しなさい。」

  ヨシュアの死後
   先月10月は、ヨシュアのことを学びました。 
モーセの後を継いだヨシュアは、イスラエル軍を率いて神さまがくださると約束されたカナンの地に入り、神さまのお言葉通り、カナンの地方を勝ち取りました。こうして約束の地はイスラエルのものとなりました。ところが、ヨシュアが死ぬと、イスラエル人はカナン人が拝んでいるバアルの神を拝むようになりました。これをご覧になった神さまは敵の軍隊を送りました。イスラエルの人々は、自分の罪をお詫びして、再び、神さまに従いました。そして、神さまは、イスラエルを助けるために強いリーダー、指導者(士師といいます)を与えます。ミデアン人が攻めてきたとき、イスラエルの人々は、「神さまに助けてください」と祈ると神さまは、ギデオンという名前の若者を指導者として選びます。
ギデオンが麦の収穫を終えて麦の穂を脱穀していると神さまのみ使いが現れました。「勇士よ(勇気のある人)、神さまがあなたと共におられます。ギデオンは、答えました。「わたしは、勇士なんかじゃありません。ただの農夫です。神さまが共におられるのに、何故、ミデアン人にいじめられるのですか」しかし、それに答えず、み使いは云いました。「神が助けてくださいます。イスラエルの人々を救い出しなさい」
ギデオンは、ミデアン人を怖れる若者でしたが、神さまが共にいてくださるという約束を信じて立ち上がりました。ギデオンのもとには、3万2千人の仲間が集まりました。これに対するミデアンの兵士は、その4倍の13万5千人もいました。1人で4人と戦わなければなりません。ところが戦いを前に、神さまがギデオンに言いました。2節、「あなたの兵は多すぎる、減らしなさい。私の助けがなくても、自分たちの力で勝ったと思いあがるといけないからだ」そこで、ギデオンは、皆を集めて。「ミデアンとの戦いが怖い人は家に帰りなさい」と云いました。すると、びくびくしていた2万2千人の人が家にかえりました。1万人の人が残りました。神さまはまたおっしゃいました。「まだまだ兵士が多すぎる。一緒に小川に行きなさい。」ギデオンは、皆を連れて小川に行き、水を飲ませました。膝をついてかがんで水を飲む者、手で水を救って飲む人がいました。神さまは、「手で水を救って飲んだ人だけを戦いに連れて行きなさい。」手で水を救って飲んだ人は300人でした。手で水を汲んで飲む人は、向かってくる敵に警戒を緩めない人たちです。普通に考えたら300人で13万人のミデアン人と戦える人数ではありません。7節 主はギデオンに言われた。「手から水をすすった三百人をもって、わたしはあなたたちを救い、ミディアン人をあなたの手に渡そう。他の民はそれぞれ自分の家に帰しなさい。」
   夜になりました。神さまがギデオンに敵の陣地に偵察に行ってみなさいと言いました。敵陣に入ったギデオンが、テントの一つにそっと近づくと話し声が聞こえました。「さっき夢を見たんだ。大麦の丸いパンが転がって来てぶつかって、我々のテントが壊れてしまったんだ」「えっ、それは、我々がギデオンに負けるということじゃないか」この会話を聞いたギデオンは、「そうか、わたしたちは勝てるんだ」と確信し、陣地に帰ると神さまに、感謝の祈りを捧げました。 ギデオンは、早速兵士を集め、300人を3つに分け、全員に角笛と空の水がめを持たせた。その水がめの中には松明を入れさせました。真夜中、ギデオンは、仲間を連れてミデアンの陣営に着くと、角笛をブオーと吹き鳴らし、水がめを「ガチャン」と砕いた。これを合図に、」三つの小隊はそろって一斉に角笛をブオー、ブオーと吹き、水がめをガチャ、ガチャ、ガチャンと割りました。
そして、兵隊たちは、燃える松明を赤々と左手でかざし、右手で角笛を「ブオー」と吹き続け、「神さまのため、ギデオンのため」と一斉に叫びました。突然の物凄い音に驚いたミデアン人は、暗闇の中でやたらに剣を振り回して、味方同士で戦い始め慌てて逃げて行きました。こうして、ギデオンと300人の仲間は、13万5千人のミデアンに勝利しました。ギデオンの勝利であるとともに神さまの勝利でした。神さまは、約束通りギデオンと一緒にいて、勝利に導いてくださったのです。
   お祈り 神さま、あなたは、ギデオンと共にいて、励まし、勇気と知恵を与え、勝利に導いてくださり、有難うございました。
私たちも、ギデオンのようにあなたのお言葉を信じ、力を頂いて、毎日、元気に頑張ることができますように。今週もお友達一人一人をお守りください。来週も元気で教会に来ることが出来ますように、イエス様の御名によって祈ります。アーメン
  
士師の時代
   出エジプト、ヨシュアによるカナンの制圧、それからサムエル記
におけるサウル王の擁立、ヨシュアからサウル王に至るまでの時代
が、士師記に描かれています。士師という言葉は、漢訳聖書(中国
語の聖書)に由来しています。士師とは、中国の古代帝国、周の時
代(BC1200~BC250年)の裁判を司る役職です。へブル
語の原文「ショーフェティーム」、英訳ではjudgesで、野球
やテニスの審判や裁判所の判事も同じ意味です。動詞になれば、判
断する、判定する、裁定するなど裁判用語になります。
士師記の内容を考えると、士師は裁判に限らず、軍事的、政治的
判断を含む統治者の働きをしております。
 士師の時代は、BC1200年、出エジプトは、BC1280年頃であり、サウル王の時代のBC1000年、この間の200年位である。
  ヨシュアは、カナンの地を征服しましたが、完全制覇ではなく、
実情は、カナン人もその土地に残り、イスラエルは共存し、カナン
人の狭間に生活したのが実際と思われます。
畑を耕し農耕民族化したイスラエルは、土地の豊饒の神バアルと
その妻アシュタロテに仕えるようになります。彼らはイスラエルの神、主(ヤハウエ)を捨て、バア ルとアシュトレト(アシュタロテ)に仕えたので、 主はイスラエルに対して怒りに燃え、彼らを
略奪者の手に任せて、略奪されるがままにし、周りの敵の手に売り渡された。彼らはもはや、敵に立ち向かうことができなかった。…彼らは苦境に立たされ、「主よ、助けてください」と叫びました。 
主は士師たちを立てて、彼らを略奪者の手から救い出された。(士師記2章13~16節)そして嗣業の地について、主は云われた。「ヨシュアが死んだときに残した(カナンの)諸国の民を、わたしはもうこれ以上1人も追い払わないことにする。 彼らによってイスラエルを試し、先祖が歩み続けたように主の道を歩み続けるかどうか見るためである。」主はこれらの諸国の民をそのままとどまらせ、すぐ追い払うことはなさらなかった。(士師記2章21~23節)
主は、カナン人の神のなかでのイスラエルの信仰を試されたのでした。
士師記の時代は、この神の試みとイスラエル罪を犯し、災いや、危険が来ると自分の罪も顧みず、主に助けを求める繰り返しであった。
今日、私たちは、士師の一人ギデオンについて学ぶ。

国際ギデオン協会
今から120年前の1898年秋、米国ウィスコンシン州ボスコベルの小さなホテルで、初めて会った青年ジョン・H・ニコルソン、サムエル・E・ヒルが偶然、相部屋となり、お互いがクリスチャンであることを知り、共に聖書を読み、祈ったことからギデオン協会発足の計画が生まれました。たった3人の発会式が翌年年5月に、その後参加したウィリアム・J・ナイツを含めた3名によって、発会しました。聖書の無料配布と会員個人の伝道を通じてキリストの救いを広める目的をもつ国際的団体。旧約聖書の士師記6章~7章に登場する人物ギデオンにあやかって、会の名称を「ギデオン(The Gideons)」と定めました。名称は,士師ギデオンがわずかの人数でミデアン人の大軍を破ったという本日の聖書箇所に由来する(士師記7章)。
国際ギデオン協会は、世界約200カ国に約30万人の会員を抱える世界規模の信徒伝道団体で、地元のキリスト教会より、祈りと聖書献金の援助を受け、ホテルや病院などへの聖書の備え付けや、若い世代(特に中学生や高校生)への聖書贈呈を無料で行っている。1950年に発足した日本本部では全国に約170の支部があり、約2200人のギデオンおよび夫人会員がいる。聖書贈呈の累計は、世界で20億冊以上、日本でも3800万冊以上に上る。

 ギデオンの召命
士師記に出てくる士師は、神の恵の力を受けて立てられ、目前の問題の処理にあたったカリスマ的指導者でした。オトニエル、エフト、デボラに続いて立てられたのが士師がギデオンでした。ギデオンという名前は、「打ち砕く」という意味です。ギデオンは、ヨセフの息子マナセの子孫で家族の中では一番年下でした。あのダビデ王の少年時代、彼は兄弟の一番末で羊を飼い、竪琴を奏でる優しい少年でした。
 ギデオンの時代、イスラエルは、主の前に罪を犯したので、主は、7
年間、イスラエルをミデアンの支配下においた。イスラエルが種を蒔く
と、決まってミディアン人は、アマレク人と共に上って来て攻めたてた。彼らはイスラエルの人々に対して陣を敷き、この地の産物をガザに至るまで荒らし、命の糧となるものは羊も牛もろばも何も残さなかった。イスラエルの人々は主に助けを求めて叫んだ。
  主の御使いは、ヨアシュの子ギデオンに現れて言った。「勇者よ、主はあなたと共におられます。」 インマヌエル モーセの召命と同じです。ギデオンは御使いに言った。「わたしの主よ、お願いします。主なる神がわたしたちと共においでになるのでしたら、なぜこのような災いがわたしたちにふりかかったのですか。先祖が、『主は、我々をエジプトから導き上られたではないか』と言って語り伝えた、驚くべき御業はすべてどうなってしまったのですか。今、主はわたしたちを見放し、ミディアン人の手に渡してしまわれました。」
 主は彼の方を向いて言われた。「あなたのその力をもって行くがよい。あなたはイスラエルを、ミディアン人の手から救い出すことができる。わたしがあなたを遣わす。」「わたしの主よ、お願いします。しかし、どうすればイスラエルを救うことができましょう。わたしの一族はマナセの中でも最も貧弱なものです。それにわたしは家族の中でいちばん年下の者です。」主はギデオンに言われた。「わたしがあなたと共にいるから、あなたはミディアン人をあたかも一人の人を倒すように打ち倒すことができる。」
その夜、主はギデオンに言われた。「あなたの父の若い雄牛一頭、すなわち七歳になる第二の若い牛を連れ出し、あなたの父のものであるバアルの祭壇を壊し、その傍らのアシェラ像を切り倒せ。 あなたの神、主のために、この砦の頂上に、よく整えられた祭壇を造り、切り倒したアシェラ像を薪にして、あの第二の雄牛を焼き尽くす献げ物としてささげよ。」ギデオンは召し使いの中から十人を選び、主がお命じになったとおりにバアルの祭壇を壊し、アシュラ像を切り刻んだ」このことから、ギデオン「叩き壊す者」となったのではないか。

 ギデオンの精兵
 ギデオンの物語は、イスラエル人が7年間、ミデアン人の支配下に
あった時代です。カナンの土地で農業に従事していたイスラエルに収
穫期が近づくとミデアン人が攻めてきました。ギデオンの呼びかけに
応じてミデアンとの戦いに参加しようと集まったのは、32,000人でし
た。イナゴの大軍のような敵軍は、135,000人でしたから、4倍以上の
差があります。ところが、主はギデオンに云われました。「あなたの
率いる民は多すぎるので、わたしはミディアン人をその手に渡すわけ
にはいかない。そうすれば、イスラエルは、「心がおごり 、自分手
手で救いを勝ち取ったと言うであろう。」
 そこで、主はギデオンにイスラエルの民に呼びかけさせた、「恐れ
おののいている者は皆帰り、ギレアドの山を去れ、と。」こうして民
の中から二万二千人が帰り、一万人が残った。
  主は、まだ多すぎると、さらにギデオンに兵士の選別をさせた。彼らが陣をひいていたギレアド山麓のハロデの泉から岩清水が流れ出ており小川となっていた。そこに1万人の兵士たちが順におりてゆき、水を飲むように促されます。兵士たちはそれぞれの仕方で水を飲みました。誰もコップを持っていません。彼らの殆どは膝をついて、犬が飲むように水中に顔を突っ込んで水を飲みました。手で水を救って口に運んですする者が少数いました。それは、いつ敵の襲来があるかもしれない戦場で警戒をしつつ水を飲む姿でした。主は、この300人を選び、後の9,700人は家に帰されました。 敵の4分の1だった兵士が、ついに450分の1の兵士に減りました。
サウル王の王子ヨナタンは、自分の武器を持つ従卒に言った。「さあ、あの敵軍の先陣の方へ渡って行こう。主が我々二人のために計らってくださるにちがいない。主が勝利を得られるために、兵の数の多少は問題ではない。」(サムエル記上14章6節)
  主の戦いは、主の作戦によって勝利します。ギデオンの兵士300人は、それぞれ左手に松明の入った壺を、右手に角笛をもって、ミデアン軍の陣地を取り囲んで夜襲をかけました。異様な装備です。彼らは一斉に角笛を吹き鳴らし、壺を砕いて松明を掲げ、「主のため、ギデオンのための剣」と叫びました。敵軍は、不意の夜襲に混乱し、ミデアン人たちは同志討ちを始め、大慌てで逃亡しました。イスラエルの大勝利でした。

  なんども繰り返された「主よ、お助けください」、彼らが主を捨て
てバアル崇拝に走ったからです。主は、諸国を動かし、イスラエルを責
め立てました。苦境に立つとかれらは、自分の罪を忘れて主に、お助け
くださいと叫んだのです。神さまは、そのたびにイスラエルに手を差し
伸べてくださいました。私たちの信仰生活もこれに似たものではないで
しょうか?主の慈しみと憐れみを軽んじる勿れ、です。
パウロは、「神の憐れみがあなたを悔い改めに導くことも知らないで、
その豊かな慈愛と寛容と忍耐とを軽んじるのですか。」(ローマ2章4 節)と訴えている。