日本キリスト教団 東戸塚教会

2018.6.17「主が報いてくださる」

Posted on 2018. 6. 19, 牧師: 杉村 和子

聖書 ルツ記2章1~13節
02:01ナオミの夫エリメレクの一族には一人の有力な親戚がいて、その名をボアズといった。 02:02モアブの女ルツがナオミに、「畑に行ってみます。だれか厚意を示してくださる方の後ろで、落ち穂を拾わせてもらいます」と言うと、ナオミは、「わたしの娘よ、行っておいで」と言った。 02:03ルツは出かけて行き、刈り入れをする農夫たちの後について畑で落ち穂を拾ったが、そこはたまたまエリメレクの一族のボアズが所有する畑地であった。 02:04ボアズがベツレヘムからやって来て、農夫たちに、「主があなたたちと共におられますように」と言うと、彼らも、「主があなたを祝福してくださいますように」と言った。 02:05ボアズが農夫を監督している召し使いの一人に、そこの若い女は誰の娘かと聞いた。 02:06召し使いは答えた。「あの人は、モアブの野からナオミと一緒に戻ったモアブの娘です。 02:07『刈り入れをする人たちの後について麦束の間で落ち穂を拾い集めさせてください』と願い出て、朝から今までずっと立ち通しで働いておりましたが、今、小屋で一息入れているところです。」 02:08ボアズはルツに言った。「わたしの娘よ、よく聞きなさい。よその畑に落ち穂を拾いに行くことはない。ここから離れることなく、わたしのところの女たちと一緒にここにいなさい。 02:09刈り入れをする畑を確かめておいて、女たちについて行きなさい。若い者には邪魔をしないように命じておこう。喉が渇いたら、水がめの所へ行って、若い者がくんでおいた水を飲みなさい。」 02:10ルツは、顔を地につけ、ひれ伏して言った。「よそ者のわたしにこれほど目をかけてくださるとは。厚意を示してくださるのは、なぜですか。」 02:11ボアズは答えた。「主人が亡くなった後も、しゅうとめに尽くしたこと、両親と生まれ故郷を捨てて、全く見も知らぬ国に来たことなど、何もかも伝え聞いていました。 02:12どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように。イスラエルの神、主がその御翼のもとに逃れて来たあなたに十分に報いてくださるように。」 02:13ルツは言った。「わたしの主よ。どうぞこれからも厚意を示してくださいますように。あなたのはしための一人にも及ばぬこのわたしですのに、心に触れる言葉をかけていただいて、本当に慰められました。」

梅雨の季節、私たちにも樹々にも水分が必要ですね。夏には芽吹いた緑が深くなり、秋には紅葉し、冬には落葉する。自然の営みは、人生に似ている。人生の季節も自然の季節のように変化します。
ルツ記2章から学びます。ボアズとルツの会話。
「よそ者のわたしにこれほど親切にしてくださるのは、なぜですか。」
5月の畑は、大麦の収穫期、貧しいものには、畑での落穂拾いが許された。
旧約聖書39巻の中で、女性の名前がついているのはルツ記とエステル記だけです。異邦人であるモアブの女性、そのルツがダビデの家系の基となり、イエスにつながる。そのような特殊性からルツ記は、旧約聖書に採用されたのだろう。父権制の強い時代、女性の地位は低く、蔑まれた女性に神の目が向けられていることが分かる。
ナオミは、飢饉が国を襲ったので、夫エリメレクに従い、二人の息子を連れて、ユダのベツレヘムからモアブの野に移り住んだ。夫エリメレクは、ナオミと二人の息子を残して死んだ。息子たちはその後、モアブの女を妻とした。一人はオルパ、もう一人はルツといった。10年ほどそこに暮らしたが、マフロンとキルヨンの二人も死に、ナオミは夫と二人の息子に先立たれ、一人残された。 ナオミは、モアブの野を去って国に帰ることにし、嫁たちも従った。
故国ユダに帰る道すがら、 ナオミは二人の嫁に言った。「自分の里に帰りなさい。あなたたちは死んだ息子にもわたしにもよく尽くしてくれた。どうか主がそれに報い、あなたたちに慈しみを垂れてくださいますように。どうか主がそれぞれに新しい嫁ぎ先を与え、あなたたちが安らぎを得られますように。」
ナオミが二人に別れの口づけをすると、二人は声をあげて泣いて、言った。「いいえ、御一緒にあなたの民のもとへ帰ります。」ナオミは言った。「わたしの娘たちよ、帰りなさい。どうしてついて来るのですか。…それはいけません。あなたたちよりもわたしの方がはるかにつらいのです。主の御手がわたしに下されたのですから。」二人はまた声をあげて泣いた。オルパはやがて、しゅうとめに別れの口づけをしたが、ルツはすがりついて離れなかった。
ルツは言った。「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないでください。…あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神。あなたの亡くなる所でわたしも死に、そこに葬られたいのです。死んでお別れするのならともかく、そのほかのことであなたを離れるようなことをしたなら、主よ、どうかわたしを幾重にも罰してください。」
ルツは、姑ナオミについてベツレヘムに帰る。ルツは、ナオミの信ずるイスラエルの神を信じていた。
大麦の収穫の季節、二人は、寄留者としてベツレヘムに戻った。若いルツは、
働き手として落穂を拾った。落穂ひろいについて、レビ記19章9~10節に、
「穀物を収穫するときは、畑の隅まで刈り尽くしてはならない。収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。…これらは貧しい者や寄留者のために残しておかねばならない。わたしはあなたたちの神、主である。」と記されている。
ナオミは、カナンから、モアブ、そしてカナンへ、寄留者となった。
夫エリメレクの親戚ボアズは、ナオミと一緒に帰って来たルツのことを知っていた。ボアズは答えた。「主人が亡くなった後も、しゅうとめに尽くしたこと、両親と生まれ故郷を捨てて、全く見も知らぬ国に来たことなど、何もかも伝え聞いていました。 どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように。イスラエルの神、主がその御翼のもとに逃れて来たあなたに十分に報いてくださるように。」ボアズは、ルツに厚意を示し、後に結婚することになる。
主の報い、良い行い、悪い行いへの報いとがある。本来は、神から与えられる無償の報い、恵みである。
主は、ルツに報われた。ルツの真心と行いに報われた。ルツは、未亡人ナオミと行動を共にした異邦人である。ナオミは、息子たちに先立たれ、悲しみの内に故郷に戻らねばならなかった。かって、故郷を捨てたナオミ、嫁のルツと共に寄留者となった。ベツレヘムに戻ったとき、年老いた自分は働けず、嫁のルツを働かせねばならなかった。報いてくださるようには、ナオミにも向けられた。
現実の社会は、報われないことが多い。培ってきた家族の生活が、仕事が一瞬にして築いたものが失われる。若い人が頑張って働いても給料は上がらない。一部の人たちだけが豊かさを享受している。一生懸命はたらき、定年を迎えたが家族はバラバラとなる現実、報われないことが多い。生きる希望が見いだせない、苦しい人生がある。
ナオミとルツ、ルツはナオミがいたから共に生かされた。
神さまは、「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう。」
(創世記2章18節)とパートナーを創った。創造者なる神は、永遠に変わらない神、裏切らない神である。
神さまは、一生懸命生きる者に、一方的に恵みを与えてくださる。神は愛だからである。
現代は、女性、子供などの立場も多様である。一族、家族の概念、血のつながり、民族、宗教を超えて、心を通わす。それを、神さまが求めている。
お互いに支え合う姿に、神さまが手を差し伸べて下さる。
今日は父の日、お互いに父であり母であり、婆であり爺であり、そして隣人である。